いびき
いびきというのは息の通り道が狭くなるので、一生懸命に体が息をしようとした結果起こります。
この原因はお子様と大人の方では変わってきます。お子様は主に扁桃腺(口蓋扁桃といいます)が大きいのが原因ですが、大人の方はいろいろな要素があります。それは、体重の増加、お酒、寝ている時の姿勢などです。
ただし、医学的にはいびきにはもっとコワイ要素が含まれています。それは「睡眠時の無呼吸」です。
息の通り道が狭くなりすぎると、十分に息をする事ができず、息が止まってしまうのです。
これが特に10秒以上続くとこの睡眠時無呼吸症候群の可能性が高くなってきます。
睡眠時無呼吸症候群がひどくなると病気になりやすくなったり、仕事でミスをしたり交通事故を起こしやすくなったりと大変困った状況になります。
たかがいびきと思わず、無呼吸も起こしているようであれば、一度医師にご相談ください。
ナステント 取り扱いについて
~流れ~
- 医師の診察と診断
- フィッテング
- 指示書・同意書の発行
※ナステント指示書の発行は5,000円(税込)が必要となります。
次のような症状はありませんか
- 大きな
いびきをかく
- 日中いつも
眠い
- 居眠り運転をよく
お越しそうになる
- 夜間の
呼吸停止
- 夜中に何度も
目が覚める
- 起床時の
頭痛やだるさ
そもそも睡眠時無呼吸症候群って何?
睡眠時無呼吸症候群とは、寝ている時に息が止まる事を繰り返し、寝不足の状態になる事で、病気になりやすくなったり、仕事に集中できない、クルマで事故を起こすといった患者様の生活基盤にも影響を与える可能性のある病気です。
この病気には大きく分けると二つのパターンがあります。
一つ目は息の通り道がせまくなって起こるもので、大きないびきをかいたりもします。これを閉塞型と呼びます。
二つ目は脳の病気により息をするように指示を出す脳の一部が異常をきたして起こるものです。心臓病(心不全)の方にもみられます。これを中枢型と呼びます。
この病気を放っておくと、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が起こりやすくなるだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞といった重い病気にもなりやすくなります。
睡眠時無呼吸症候群の患者様は診断後に5年間で亡くなる確率は16%、さらに診断後8年間では40%という報告もあります。(※日本呼吸器学会ホームページ)
睡眠時無呼吸症候群の検査
睡眠時無呼吸症候群は、「寝ている状態」での異常なので、通常の診察では病気を見つける事ができません。
眠った状態での検査が必要になります。
この検査では、眠っている間に検査装置(アプノモニター)を装着します。腕に検査装置をつけたバンドを巻いて、指にセンサーを装着し、鼻にも器具を装着します。※痛みを感じることはありません。
これにより、呼吸の状態やいびきの程度、睡眠中の体内酸素量といった情報が得られます。
検査中に寝返りを打ったり、起き上がる事もできます。トイレにも自由に行けます。
当院では入院せずに自宅でできる検査を導入していますので、仕事を休む事なく、自宅で検査を行う事が可能です。また、年齢・性別を問わず簡単にできる検査です。
※この検査は保険が適用されます。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
保存的治療
呼吸状態を改善させる治療を行います。これは寝ている時に鼻から空気を呼吸に合わせて送り込む機械を装着します(Continuous Positive Airway Presssure(経鼻的持続陽圧呼吸療法):頭文字をとってCPAP治療と呼びます)。
CPAP治療は簡単で確実に効果を得られますが、治療をやめるとまた無呼吸になってしまうので、合わせて体重の減量も進めていく事が大切です。あくまでCPAP治療は治すものではなく、「快適な生活を過ごす」ためのものです。
体重の増加により息の通り道が狭くなっている事が多いので、睡眠時無呼吸が起こり出す前と比べて、体重の増加があれば、「緩やかに」減量する事をお勧めします。これは急激な減量をすると、逆に体重が増加する場合があるからです。
また、患者様の生活や仕事を考慮したうえで治療を行っていく事や鼻のとおりも影響しているので、詳しくは医師にご相談ください。
※CPAP治療は保健が適用されます。
手術的治療
特にお子様に多いのですが、扁桃腺(口蓋扁桃といいます)が大きくて、息の通り道を邪魔している場合です。お子様の場合は、扁桃腺と同じもので鼻の奥にあるアデノイドという組織も大きくなって、鼻からの呼吸を邪魔している場合が多いので、扁桃腺と一緒にアデノイドもとり除きます。
大人の方の場合は、アデノイドは縮んでいるので、アデノイドはとらずに扁桃腺だけをとって、さらに扁桃腺のまわりの粘膜も少し切って、切り口を縫い合わせて、扁桃腺があったのどの入り口が広がるようにします。
当院での治療の手順
診察
自宅での簡易検査
- 自宅で睡眠をとるときに、アプノモニターを装着して検査を行います。
より正確なデータをとるため、二晩アプノモニターの装着をお願いしています。
自宅でも取扱い可能な検査機器を使って、普段と同じように寝ている間にできる検査です。手の指や鼻の下にセンサーをつけ、いびきや呼吸の状態から睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性を調べます。自宅でもできる検査なので、普段と変わらず仕事や日常生活をそれほど心配せずに検査することができます。
多くの場合は、まずこの簡易検査から行います。
また検査と内容によっては、入院が必要な検査がありますので、協力医療機関をご紹介いたします。検査の内容によっては協力医療機関に紹介いたしますので、詳しくは医師にご相談ください。
睡眠時無呼吸症候群
保存的治療
- 保存的治療を行うのは、体重の増加が関係している場合で、体重の減少になる生活習慣の改善を行いつつ、自宅では十分に睡眠が取れるように寝ている間だけ鼻から空気を送り込むCPAP療法を行っていきます。 この治療をしながら、体重のコントロールを緩やかに行い、月に1回日中の眠気や体調などに改善や変化があるかもフォローしていきます。
あくまでCPAP治療は治すものではなく、「快適な生活」のものです。鼻のとおりも影響しているので、詳しくは医師にご相談ください。
手術的治療
- 手術的治療を勧めるのは、無呼吸にのどの形も関係している場合です。 手術については扁桃腺(口蓋扁桃といいます)はとりますが、お子様と違いアデノイドは縮んでいるので、アデノイドはとりません。扁桃腺をとった後に扁桃腺のまわりの粘膜も少し切って切り口を縫い合わせて扁桃腺があったのどの入り口が広がるようにします。
手術的治療を考慮する場合は協力医療機関へ紹介いたします。詳しくは医師にご相談ください。